Hugin チュートリアル — フラットベッドスキャナによる画像をつなげる
このチュートリアルでは Hugin のもうひとつのパノラマ作成以外の利用法について説明します。大きな対象物(LPレコードのジャケットや地図やポスターなど)について、一部だけをスキャンした画像を複数枚用意してスティッチし、継ぎ目のない1枚の画像を完成させます。
註:このチュートリアルは Hugin の2005年3月時点でのベータ版に基づいています。バージョンが違う場合でも、基本となる原理は同じです。以下の記事は Hugin による基本的なパノラマ作成に慣れている読者を対象にしています。ここに示したページは、大きすぎてスキャナに収まらないため2つの部分に分けてスキャンする必要があります。Gimp を使って並べることはできますが、各スキャン画像の回転角度が異なり、きちんと揃えることはほぼ不可能です。
解決策として Hugin と Panorama Tools を使えば断片を完璧に回転させ揃えることができます。
Hugin を起動し、①画像を登録…ボタンで調整したいスキャン画像を選びます。
Panorama Tools は画像がカメラで撮影された写真であるとみなします。これは明らかにここでの例には当てはまらないように思えます。しかし、実はスキャン画像は単なる心射方位投影の写真に非常に近いのです。そのような写真が撮れる「パーフェクトな」カメラは、縦位置のずれも横位置のずれもレンズによる歪みもゼロです。
その仮想的なカメラの画角は分かりませんが、無関係に写真は同一なので問題ありません(5〜40度の標準的な値を適当に設定すればおそらく大丈夫でしょう)。画像を1枚選択して水平画角 (v) テキストボックスに10を入力して OK を押します。この作業は画像1枚ごとに行う必要があります。

コントロールポイント タブに移ります。対になった画像のそれぞれについてコントロールポイントを追加します。2枚の写真をつなげる場合と同様です。
ヒント:1対の画像について最低でも2つのコントロールポイントが必要で、コントロールポイントを増やすほど配置の最適化がうまくいくようになります。著者は怠け者なので、このチュートリアルではコントロールポイントを autopano-sift-C に自動生成させました。

カメラとレンズ タブに移ります。
すべての写真が同じカメラで撮られたと Hugin がみなさないよう、個々の画像ごとに異なるレンズを指定する必要があります。そのためには写真を個々に選択したうえで新しいレンズボタンを押します。 3枚以上の画像がある場合は、すべての画像で新しいレンズを設定し、画像がそれぞれ異なるレンズ番号になるようにします。

次に最適化タブに移ります。通常のパノラマを作成しているわけではなく、モザイクモードを使用できるので、最適化の設定をカスタマイズに変更し、基準となる画像以外の全画像について回転角 (r), X, Y, Zを設定し、最適化を実行ボタンをクリックします
ヒント:最適化は、基準となる画像以外の全画像について回転角 (r)・水平画角 (v)・d・eを設定して行うのでも構いません。

完了したら 変更を適用する必要があります。
ここまできたらプレビューウィンドウで万事順調か確認するとよいでしょう(Ctrl P のキーの組み合わせでプレビューウィンドウを開けます)。

さあ、スティッチタブで完成品の出力ファイルをいつものように作成できます。

上級テクニック
他に試してみたくなるようなものとして:
回転を揃える — 水平と鉛直のコントロールポイントを使うと全体の回転を完璧にできます。別のチュートリアルを見ると使い方のヒントが書かれています。
2枚のスキャン画像をつなぐだけでなく、好きな枚数を好きな行数だけ組み合わせることができます。
同じような方法は(a mural などの)表面をいろいろな視点と距離で撮った写真をつなげる際にも使えます。これについては別のチュートリアルで取り上げます。
ヒント:レンズの収差はすべて前もって補正されている必要があります。これはパラメータ d と e がレンズ補正パラメータの a、b、c に影響するためです。
nona と enblend でつないだ後、the gimp で切り抜いた完成品を以下に示します。通常のレタッチは行っていませんが、つなぎ目はまったく見えなくなっています。
この写真について
Owen Jones 作、Grammar of Ornament。1856年に出版されヴィクトリア建築・印刷・デザインにおける金字塔となった。最終章の Leaves and flowers from nature(自然界の草花)はアーツ・アンド・クラフツとアール・ヌーボーの潮流に多大な影響を与えた。
Bruno Postle著、2005年3月作成。205年5月に更新。2011年1月に北川雅裕により日本語訳。



